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作/漫画 高野善松/よつや渚
発売日 2000年6月
定価 1,575円
出版社 近代セールス社
〒164-8640
東京都中野区中央1-13-9


著作の内容

金融サバイバルに生き残る   最強のカルチャーコミック!
   つばめ銀行下町支店の高見翔次長(37才)は従来の本部主導型よりも営業店主導型銀行経営を提唱する情熱家。下町支店の個性豊かなスタッフと共に、様々なトラブルや問題を解決しながら「地元に愛される店づくり」を進めていく。
   今日もまたこの支店を舞台にドラマが展開する。

ひとこと

   下町で暮らす人々、そこで商売をしている経営者、商店街との関わり合いの中で、下町支店の人々がトラブルや人情話を通じて「自分たちの力による下町支店お店づくり」を、よつや渚先生のリアルなタッチのまんがという力強いご協力を頂いて、描きました。

目次


ストーリー
第1話高見次長の秘めた決意
第2話「SHOU空間」って何?
第3話”ふれあい”の接客マナー
第4話取引先の業務改善を提案する 
第5話アンケート葉書を活かせ
第6話渉外の面白さを教えよう
第7話リスクマネジメントを確立せよ
第8話他業態に学ぶOJTプラン
第9話役席はチームの要
第10話現場のスキル習得管理法
第11話取引先の事業領域図を作ろう
第12話事業の仕組みを理解しよう
第13話取引先の経営課題をつかもう
第14話英国銀行規範に学ぶ
第15話ヒヤリハットシートによるコンプライアンス活性化
第16話商店街活性化に貢献する金融機関の役割
第17話倒産軌道を回避せよ
第18話ベンチャーを倒産から守る支援策
第19話苦情クレームのマネジメントを確立せよ
第20話めざせ「択善」の企業倫理
解説
1営業店マネジメントを勉強しよう
2目に見えない価値観をマネジメントしよう
3目に見えない価値観をマネジメントしよう
4リスクマネジメントを根づかせるために
5リスクマネジメントを根づかせるために
6経営改善計画には取引先カルテが必要
7英国銀行協会「銀行規範」に学ぶ
8地域に根ざした銀行とは
9倒産の危機から救う力を養おう
10個人の道徳と企業倫理を理解しよう

「飛び立て!つばめ銀行下町支店」が描くもの

  • 本書では、現実には存在しないかもしれないが、近未来的にはきっとあり得る銀行職場の姿を描きたかった。
  • そこから、読者の方々に自分たちの職場の理想型を感じ取って欲しい。読後の爽やかさを感じて欲しい。さらに、意識的または無意識に感じているある種の心のわだかまりに通じる、「我が意を得たり」の共鳴する部分があれば、作者としてこれほどうれしいことはない。
  • マンガの主人公である高見次長や周囲の岩崎支店長、3人の課長、多くの部下達は、読者の周囲にも存在しそうなありふれたキャラクターだが、毎回起きる事件を通じて活き活きと描かれている。
  • ストーリーの中で下町支店の職員が、自分たちが無意識で行動してきたこと、考え判断してきたこと ~ 「暗黙知」に対して、主人公高見が毎回一石を投じて、周囲が「問題なし」としてきた出来事に、疑義を唱え問題解決を迫ることで職場に混乱を与える。しかし、それはやがて周囲の心に新鮮な「気づき」と意識変革の火を灯していく。
  • 下町支店職員の意識を変革させ、下町に融けこみ、その地域ならではの独自性(アイデンテティ)を発揮しようと一職場が、その企業の誇りを賭けて自分たちの存在を発展させていく、そのプロセスの重要性を認識して欲しい。
  • 最後に、このマンガストーリーを書き始めたときから、最終回の内容は決まっていた。明治の初めの産業勃興期、自ら日本の金融業務の枠組みばかりでなく、銀行業務そのものを作り上げた渋沢栄一翁。翁は、そればかりでなく、金融マンに「択善」の企業倫理を提唱し自ら実践もした。事業を興し繁栄させるには、事業ビジョンばかりでなく企業倫理がなければ人は安心できない。そのことの重要性を100年以上前に警鐘を鳴らした、その卓越した先見性を読者にぜひ知って欲しくて書き上げたストーリーである。